無料ツールで簡単!ウェブサイトにお問い合わせフォームを設置する手順
ウェブサイトやホームページは、お客様にとってお店や会社の顔となる重要な接点です。店舗情報や商品・サービス内容を掲載するだけでなく、お客様からの問い合わせを受け付ける導線を設けることは、ビジネスチャンスを広げる上で非常に大切です。
特に、地域密着型の小規模ビジネスや飲食店では、「電話するほどではないけれど、少し確認したいことがある」「営業時間外に気軽に質問したい」といったお客様のニーズに応えることが、来店や予約、問い合わせにつながる可能性があります。
専門的な知識や高額なシステムを使わなくても、無料のツールを活用すれば、簡単に高品質なお問い合わせフォームを作成し、ウェブサイトに設置することが可能です。この記事では、無料ツールを活用してお問い合わせフォームを設置・運用し、顧客との接点を増やす具体的な手順をご紹介します。
なぜウェブサイトにお問い合わせフォームが必要なのか
ウェブサイトに問い合わせ先として電話番号やメールアドレスだけを掲載しているケースも見受けられます。もちろんこれらも重要な連絡手段ですが、お問い合わせフォームには以下のようなメリットがあります。
- お客様の手間を減らす: メーラーを立ち上げたり、電話番号をメモしたりする手間がなく、ウェブサイト上で入力・送信を完結できます。
- 必要な情報を正確に取得できる: 氏名、メールアドレス、問い合わせ内容のカテゴリなど、こちらが知りたい項目を事前に設定しておけば、お客様はそれに沿って入力するため、情報不足を防げます。
- 対応漏れや重複を防ぐ: 受信した問い合わせを一元管理しやすくなり、対応状況の確認や担当者への振り分けがスムーズになります。
- 24時間受付が可能: 営業時間に関わらず、お客様は好きなタイミングで問い合わせを送信できます。
特にお金のコストをかけずにこれらのメリットを享受できるのが、無料ツールの魅力です。
おすすめの無料お問い合わせフォーム作成ツール
無料でお問い合わせフォームを作成できるツールはいくつか存在しますが、ここでは多機能で使いやすく、信頼性の高い「Googleフォーム」に焦点を当てて解説します。Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できます。
Googleフォームは、アンケートだけでなく、お問い合わせフォームや申し込みフォームなど、様々な用途で活用できます。回答はGoogleスプレッドシートに自動で蓄積されるため、管理も容易です。
Googleフォームでお問い合わせフォームを作成する手順
Googleフォームを使って、お客様が簡単に利用できるお問い合わせフォームを作成しましょう。
1. Googleフォームにアクセスする
Googleアカウントにログインした状態で、Googleフォームのウェブサイトにアクセスします。「新しいフォームを作成」またはテンプレートから「お問い合わせ情報」などを選択して開始します。
2. フォームの質問項目を設定する
お問い合わせフォームに必要な項目を設定します。一般的な項目としては、以下のものが考えられます。
- 氏名(記述式)
- メールアドレス(記述式、回答の検証でメールアドレス形式を指定可能)
- 電話番号(記述式、任意回答とする場合が多い)
- お問い合わせの種類(ラジオボタン、プルダウン、チェックボックスなど)
- お問い合わせ内容(段落)
各項目について、「必須」にするか「任意」にするかを設定できます。お客様の負担を減らすため、必須項目は最小限に留めるのが良いでしょう。
3. フォームの設定を調整する
フォームの右上にある歯車アイコンから設定を開きます。
- 回答:
- 「回答の概要を表示」は、集計結果を公開する設定なので、お問い合わせフォームでは基本的にオフにします。
- 「回答をスプレッドシートにリンク」を選択し、新しいスプレッドシートを作成すると、受け付けた問い合わせ内容が自動的にスプレッドシートに記録されるようになります。これは対応状況の管理に非常に便利です。
- プレゼンテーション:
- 「確認メッセージ」をカスタマイズし、送信完了後に表示されるメッセージを「お問い合わせありがとうございます。担当者より改めてご連絡いたします。」など、お客様が安心できる内容に設定します。
- デフォルト:
- 質問や回答に関する初期設定が行えます。
4. デザインを調整する
フォーム上部にあるパレットアイコンから、フォームの見た目をカスタマイズできます。テーマの色やフォントを変更したり、ヘッダー画像を設定したりして、ウェブサイトや店舗の雰囲気に合わせましょう。シンプルで見やすいデザインが、お客様にとっての使いやすさにつながります。
5. 作成したフォームをテスト送信する
実際に作成したフォームに自分で情報を入力し、送信してみましょう。設定したメールアドレスに通知が届くか、スプレッドシートに正しく記録されるかなどを確認します。誤字脱字がないかも合わせて確認してください。
作成したお問い合わせフォームをウェブサイトに埋め込む方法
Googleフォームで作成したフォームは、簡単にウェブサイトに埋め込むことができます。
1. フォームの「送信」ボタンをクリックする
フォームの編集画面右上にある「送信」ボタンをクリックします。
2. 埋め込み用のHTMLコードを取得する
送信方法の選択肢の中から、<>
アイコン(埋め込み)を選択します。すると、フォームをウェブサイトに埋め込むためのHTMLコード(iframeタグ)が表示されます。このコードをコピーします。コードを貼り付ける場所に合わせて、フォームの幅や高さを調整することも可能です。
3. ウェブサイトのHTMLにコードを貼り付ける
ウェブサイトのHTML編集画面を開き、お問い合わせフォームを表示したいページのお問い合わせセクションなどに、コピーしたHTMLコードを貼り付けます。
- ご自身でHTMLファイルを編集している場合は、そのファイルの該当箇所に直接貼り付けます。
- WordPressなどのCMSを利用している場合は、固定ページや投稿の編集画面で「テキストエディタ」や「カスタムHTMLブロック」などを選択し、コードを貼り付けます。
貼り付け後、ウェブサイトを更新し、実際にお問い合わせフォームが正しく表示され、機能するかを必ず確認してください。
お問い合わせフォームの効果的な活用ポイント
お問い合わせフォームは設置するだけでなく、適切に運用することでその効果を最大化できます。
- 迅速な対応: お客様は回答に少なからず期待を持って問い合わせています。可能な限り迅速に対応することで、顧客満足度を高め、信頼関係を構築できます。
- 自動返信の設定: Googleフォーム自体に自動返信する機能はありませんが、フォーム送信後に表示される確認メッセージを丁寧にする、またはGoogle Apps Scriptなどを利用すれば、自動返信メールを送ることも技術的には可能です。まずは確認メッセージで安心感を与えることから始めましょう。
- スプレッドシートでの一元管理: 回答が蓄積されるスプレッドシートを定期的に確認し、未対応の問い合わせがないかチェックします。対応状況を記録する列を追加すると、より効率的に管理できます。
- スパム対策: Googleフォームには基本的なスパム対策機能が備わっていますが、もしスパムが多い場合は、質問項目に簡単な計算問題を追加するなどの工夫も有効です。(ただし、お客様の入力負担が増える点は考慮が必要です。)
- 問い合わせ内容の分析: どのような問い合わせが多いかをスプレッドシートで確認することで、お客様がよく疑問に思っている点や関心が高いサービスなどを把握できます。これをウェブサイトのFAQコンテンツ拡充やサービス改善に活かすことができます。
まとめ:ゼロ予算で顧客接点を強化する第一歩
お問い合わせフォームの設置は、お客様との接点を増やし、ビジネスの機会を広げるための重要なステップです。専門的な知識や高額な費用をかけることなく、Googleフォームのような無料ツールを活用すれば、誰でも簡単に始めることができます。
この記事でご紹介した手順を参考に、ぜひご自身のウェブサイトにお問い合わせフォームを設置してみてください。お客様からの声に耳を傾け、丁寧に対応することで、信頼を築き、集客や売上アップにつなげることが期待できます。まずは小さく始めて、お客様とのコミュニケーションを深めていきましょう。