ゼロから始めるLINE公式アカウント!飲食店・店舗の無料集客術
はじめに
お金をかけずに集客や売上を増やしたいと考えている飲食店や地域密着型店舗の皆様にとって、デジタルマーケティングは難しそう、あるいは予算が必要というイメージがあるかもしれません。しかし、無料で利用できるツールを活用すれば、効果的な集客活動を始めることが可能です。
本日は、その中でも特に地域ビジネスとの相性が良く、無料で始められる「LINE公式アカウント」を使った集客・販促の基本と具体的な方法について解説します。デジタルマーケティングの経験がない方でも、このガイドを読めばすぐに最初の一歩を踏み出すことができるでしょう。
なぜLINE公式アカウントが地域ビジネスに適しているのか
LINEは日本国内で非常に多くのユーザーに利用されているコミュニケーションツールです。顧客と直接つながり、情報を届けやすい点が地域密着型ビジネスにとって大きなメリットとなります。
- 高い開封率: メールマガジンなどに比べ、メッセージが読まれる可能性が高い傾向にあります。
- 顧客との距離が近い: 普段使い慣れているLINEで情報を受け取れるため、顧客にとって抵抗感が少なく、店舗を身近に感じやすくなります。
- 多様な機能: メッセージ配信、クーポン、ショップカード、予約機能など、集客やリピート促進に役立つ機能が豊富に用意されています。
- 無料プランがある: 月1,000通までのメッセージ配信であれば、無料で利用を開始できます。小規模店舗であれば、この無料枠でも十分に活用できる場合があります。
LINE公式アカウントでできること(無料プランで活用可能な機能)
無料プランでも、店舗の集客や販促に役立つ多くの機能を利用できます。
- メッセージ配信: 登録してくれた友だち(顧客)全員、または絞り込んだ特定の友だちに対し、一斉にメッセージを送ることができます。新メニューのお知らせ、イベント情報、お得なクーポンなどを直接届けられます。
- LINEチャット: 友だちと個別にメッセージのやり取りができます。質問への対応や簡易的な予約受付などに活用できます。
- クーポン機能: 友だち限定のクーポンを作成・配信できます。来店動機を高める強力なツールです。
- ショップカード機能: LINE上でスタンプカードを提供できます。紙のカードのように紛失する心配がなく、リピート来店を促進します。
- あいさつメッセージ: 友だち追加してくれた際に自動で送られるメッセージです。感謝の言葉と共に、店舗紹介や初回特典クーポンなどを設定できます。
- 応答メッセージ: 特定のキーワードに反応して自動で返信する機能です。営業時間や住所など、よくある質問への回答を設定しておくと便利です。
- プロフィール設定: 店舗の基本情報(営業時間、住所、電話番号、ウェブサイトなど)や、お店の雰囲気が伝わる写真などを掲載できます。
- リッチメッセージ/リッチメニュー: 画像とテキストを組み合わせた視覚的に魅力的なメッセージや、画面下部に固定表示されるメニューを設定できます(一部機能は有料プラン限定の場合や利用上限がある場合がありますが、無料でも基本的な設定は可能です)。
LINE公式アカウントの開設と初期設定手順
デジタルマーケティングが初めての方でも、以下の手順でアカウントを開設できます。特別な専門知識は不要です。
- LINE公式アカウント開設ページにアクセス: LINE for Businessのウェブサイトから「LINE公式アカウント」のページを開きます。
- アカウント開設(無料)を選択: 個人のLINEアカウント、またはメールアドレスを使って登録を進めます。案内に従って、ビジネスの基本情報を入力します。
- 基本情報の入力: アカウント名(店舗名)、業種などを正確に入力します。この情報がLINE上での店舗名として表示されます。
- プロフィールを設定: 店舗の紹介文、営業時間、定休日、住所、電話番号などの基本情報を入力します。お店の雰囲気が伝わる写真や動画を設定することもおすすめです。
- あいさつメッセージを設定: 友だち追加してくれた際に自動で送信されるメッセージを作成します。友だち追加のお礼や、すぐに使えるクーポンの案内などを入れると効果的です。
- 応答メッセージを設定(任意): よくある質問に対する自動返信を設定します。「営業時間」「場所」などのキーワードで設定しておくと、顧客からの問い合わせ対応の手間を減らせます。
これでアカウントの基本設定は完了です。管理画面にログインして、各種機能を設定できるようになります。
実践!LINE公式アカウントを使った無料集客・販促術
アカウントを開設したら、いよいよ集客・販促活動を始めましょう。
ステップ1:友だちを増やす
メッセージを届けたい顧客に、あなたのLINE公式アカウントを「友だち登録」してもらう必要があります。
- 店頭での告知:
- 店内にQRコードが載ったポスターやPOPを掲示します。レジ横やテーブルなど、お客様の目に触れやすい場所に置きましょう。
- お客様が会計する際などに、スタッフが直接声かけをして友だち登録をお願いします。「登録で〇〇プレゼント中!」などの特典を用意すると効果的です。
- ショップカードの代わりにLINEショップカードを導入し、利用の際に友だち登録を促します。
- SNSやウェブサイトでの告知:
- 店舗のFacebookページやInstagramアカウントを持っている場合は、プロフィールや投稿でLINE公式アカウントのIDやQRコードを案内します。
- もしウェブサイトがある場合は、サイト上にもLINEの友だち追加ボタンやQRコードを掲載します。
- 名刺やチラシに掲載: 名刺や配布するチラシにLINE公式アカウントのQRコードを印刷します。
ステップ2:魅力的な情報発信をする
友だちが増えたら、定期的にメッセージを配信して顧客とのつながりを維持し、来店を促進します。
- お得なクーポンの配信:
- 「友だち限定〇〇割引」「雨の日限定クーポン」「誕生日月クーポン」など、具体的な特典を付けたクーポンを配信します。
- クーポンの利用期限を設けることで、来店を促す効果が高まります。
- 新メニューや季節限定メニューのお知らせ:
- 写真付きのリッチメッセージなどを活用し、視覚的に食欲をそそるような情報を配信します。
- 開発秘話やこだわりのポイントなどを添えると、ストーリー性が出て興味を引きます。
- イベントやキャンペーン情報の告知:
- テイクアウト・デリバリー開始、期間限定セール、ポイントアップデーなど、店舗で開催するイベント情報をリアルタイムに届けます。
- お店の日常やスタッフ紹介:
- 親しみやすさを感じてもらうために、仕込みの様子、スタッフの紹介、お客様との温かいエピソードなど、お店の「顔」が見える情報を発信するのも効果的です。
ステップ3:ショップカード機能を活用する
リピーター育成にはショップカード機能が非常に有効です。
- LINE上で完結するため、お客様はカードを忘れる心配がありません。
- スタンプ付与の条件(来店ごと、〇〇円以上の利用ごとなど)を設定し、目標スタンプ数達成で特典(割引、無料サービスなど)を付与します。
- 友だち登録時のあいさつメッセージでショップカードの案内をすると、利用率が高まります。
成功のためのポイントと注意点
- 配信頻度: あまりに頻繁なメッセージ配信はブロックにつながる可能性があります。週に1〜2回程度を目安に、価値のある情報だけを厳選して配信するのがおすすめです。
- ターゲットに合わせた情報: どんな情報が顧客にとって有益かを考え、一方的な宣伝だけでなく、役立つ情報や楽しいコンテンツも取り入れましょう。
- 返信対応: LINEチャットを開放している場合は、顧客からの問い合わせには丁寧かつ迅速に対応しましょう。
- 効果測定(簡易的): メッセージごとの開封数やクリック数を管理画面で確認できます。どのメッセージが効果的だったかを把握し、次の配信に活かしましょう。
- 他の無料ツールとの連携: GoogleビジネスプロフィールにLINE公式アカウントのリンクを貼るなど、他の無料ツールと連携することで、さらに露出を増やせます。
まとめ
LINE公式アカウントは、無料プランでも地域密着型店舗が顧客と直接つながり、効果的な集客・販促を行うための強力なツールです。アカウント開設は簡単で、特別な知識は必要ありません。
まずはアカウントを開設し、店頭での声かけや告知から始めて友だちを増やしましょう。そして、お得なクーポンや新着情報など、お客様が喜ぶ情報を定期的に配信してみてください。難しく考えず、「お客様への手紙」を送るような気持ちで取り組むことが大切です。
お金をかけずに始められるLINE公式アカウントを活用して、お店のファンを増やし、集客力アップを目指しましょう。